ポピュラー音楽の理論を学ぼうとすると、ほどなくして五度圏という言葉が出て来ます。英語ではサークル・オブ・フィフス(Circle of Fifth)と呼びます。今後色々と便利に使えるツールですので、今日はこれについてご説明します。
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五度圏表
ある音からドレミファソと5度上がり、上がったその音からまたドレミファソと5度上がり、、、これを繰り返して行くと、しまいには元の音に戻ってしまいます。円ができる感じです。
果たして本当にそうなのか!?実際にピアノを弾きながら確認してみました。
Cから、ドレミファソと5度上がる、上がったその音をドと考えてまたドレミファソと5度上がる・・・これを繰り返すと12回目でCに戻って来ました!
五度圏を使って、スケール内のシャープやフラットの数を把握できる
では、五度圏を使うとどんないいことがあるんでしょうか?まず、メジャースケールのシャープやフラットの数の把握がとっても楽になります。
- 時計回りに回ると順番にシャープが一つずつ増えて行く
- 反時計回りに回ると順番にフラットが一つずつ増えて行く
五度圏の各音をメジャースケールの始まる音、すなわちドレミファソラシドのドと考えてみます。すると、時計回りに一つ進むごとにシャープの数が一つずつ増えて行きます。
Cメジャースケールはシャープもフラットもなし、一つ進んだGメジャースケールはシャープ1個、もう一つ進んだDメジャースケールはシャープ2つの調です。このように進んでCのちょうど反対側はF#メジャースケールでシャープ6つです。
F#メジャーとGbメジャーは同じ鍵盤を弾きますので、これをGbと読み換えるとGbメジャースケールはフラット6個の調、そしてさらに進むごとにフラットの数が減って行きます。
この他にも五度圏は色々と便利に使えますが、それは追い追いお伝えして行こうと思います。
*シャープやフラットの増え方と順番について、詳しくは以下もご覧ください。
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五度圏と四度圏は同じこと
五度圏の他に四度圏というのも耳にします。五度圏を反時計回りに回るとドレミファと4度ずつ上がって行くことになりますね。この順番を時計回りに並べ替えたものを四度圏と言います。
要は時計回りか、反対かと言うだけで理屈は同じことなので、当ブログでは五度圏表を使い、時計回り、反時計回りで対応して行こうと思います。
五度圏で音が配列してしている楽器、スティールパン
スティールパンという楽器を知っていますか?カリブのトリニダード・トバゴという島国発祥の打楽器で、ドラム缶を叩いて凹まして作ってあります。実は、この楽器の音の配列が五度圏なんです!
外側に12の丸が見えますが、この丸の真ん中を叩いて音を出します。手前の丸がC、右隣りがGで左隣りがFです。まさに、五度圏が身体に入ってないと演奏できない楽器ですね!
調には性格がある!?
ところで、ポピュラー音楽をやってる人たちは、キー(調)を変えるのに全く抵抗がないですね。皆さんもカラオケに行くと、キーチェンジャーで自分が一番歌いやすいキーにするでしょう?
でも、同じことをクラシックの世界でやったら大変です!調にはそれぞれのキャラクターがあるって考えられているので、作曲家はその曲に一番合った調を選んでるんです。
クラシックの世界では、演奏者が曲に合わせる、ポップスの世界では曲を演奏者に合わせる、みたいな感じかな?と思っています。
ところで調のキャラクターをざっくり言いますと、
- シャープ系はきらびやかな感じ
- フラット系は静まって行く感じ
私が面白いなぁ〜と思うのは、シャープが一番たくさんついた調であるF#メジャーとフラットが一番たくさん付いた調のGbメジャー、この二つは実際に弾いてる鍵盤は同じだと言うことです。
高揚を求めて到達した場所と鎮静を極めて到達した場所。この二つが一つに交わるとは・・・何だかすごく哲学的が気さえするんですよね。
ただ不思議な事にF#メジャー(嬰へ長調)だと認識して弾く場合とGbメジャー(変ト長調)だと思って弾く場合。なんだか響きが違って聴こえるような気がするんです!(ま、あくまで「気」ですけどね!)
・・・というわけで、最後はちょっと寄り道でした!
今はまだ五度圏と言われても、あまりピンと来ないかもしれませんが、今後ちょくちょく使いますので、ぜひ覚えてください♪
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