ハ長調(Cメジャー)以外の調(キー)にはすべてフラットやシャープが初めからついています。これを調号と言い、フラット、シャープそれぞれ調号1個の調から6個の調まであります。でも、フラットとシャープが混ざっている長調はありません。
フラットやシャープのつく順番は決まっています。そして、フラット2個の調はBbとEbにフラットついており、それは変ロ長調(もしくはト短調)という風にきっちり紐づいています。覚えるのが大変そうですが、理屈がわかるとスッと腑に落ちますよ。
今回はまず、フラットについて見て行きましょう。
スポンサーリンク
フラットのつき方にはルールがあった!
まずは、フラットの数と、フラットがついている音と紐づいている長調を一覧表にしましたので見てください。
♭の数 | フラット♭のつく音 | 長調の名前 | 五線譜 |
---|---|---|---|
1 | Bb | へ長調(F major) | |
2 | Bb, Eb | 変ロ長調(Bb major) | |
3 | Bb, Eb, Ab | 変ホ長調(Eb major) | |
4 | Bb, Eb, Ab, Db | 変イ長調(Ab major) | |
5 | Bb, Eb, Ab, Db, Gb | 変ニ長調(Db major) | |
6 | Bb, Eb, Ab, Db, Gb, Cb | 変ト長調(Gb major) |
赤字は増えたフラットの音名です。では続いて、なぜこのようにフラットが増えて行くのか、そのカラクリをを説明します。
メジャースケール内の半音程に注目!
メジャースケールの音の並び方を思い出してください。
*長調の音の並び方についてはこちらで詳しく説明していますので参考にしてくださいね。▶️長調の音階を徹底解説!ドレミファソラシドの隣り合った音の音程は?
長調の音階には「ミとファ」「シとド」この二箇所に半音程が含まれています。そして、Cメジャー(ハ長調)の音階だけはフラットもシャープも使わずに出来るのでしたね。
もし他の音に「ド」の場所をずらせば、当然シャープやフラットを使って黒い鍵盤を弾かなければ全 全 半 全 全 全 半の音程にはなりません。この半音程の存在がシャープやフラットが必要になる理由です!
スポンサーリンク
「ドレミファソラシド」を5度下げればフラットが1つ増える
では、この二つの半音程のうち今まで「ミ(E)-ファ(F)」だった所を「シ(E)-ド(F)」として使ってみるとどうなるでしょうか?
左(下)に5度、あるいは右(上)に4度ズラしたことになりますね。(注:音程は「度」を使い、数え始めの音から1度と数えます)
先ほどのCメジャーではミ-ファだった半音程を今度はシ-ドとして使いました。ですから、新たなメジャースケールではファに当たる音にフラットをつけて半音下げてBbとしなければなりません。
同じ要領でまた、5度下に(4度上に)ズラして「ミ(A)-ファ(Bb)」を「シ(A)-ド(Bb)」と考えてメジャースケールを作ると、新しく増えた2つ目のフラットはEbとなります。
つまり、スケールの始まる音である「ド」が5度下がる(4度上がる)度にフラットが一つずつ増え、新しく増えるフラットは必ず音階の4つ目の音である階名の「ファ」に当たる音になります。
フラットが増える順番を鍵盤上の図にしてみました。
まだピンと来ないなぁ〜という方は以下の記事と動画も併せてご覧ください。別の角度から説明しています。
▶️フラットを使う長調の音階をピアノで弾こう!フラット1〜6個まで
フラットはBb, Eb, Ab, Db, Gb, Cbの順に増えて行きます。そして、BbとEbは「ドシラソファ」と5度下がる(または「ドレミファ」と4度上がる)関係になっています。同じようにEbとAbの関係もEbをドと考えるとAbはファとなっています。AbとDb、DbとGb、GbとCbの関係もすべて同じです。
今日のまとめ
お疲れ様でした!文字だけで読んでもなかなか難しいと思います。ぜひ、音の出る鍵盤(スマホのアプリでもOK!)を使いながら確認してください。
では、ここまでのまとめです。
- Cメジャースケール(ハ長調)以外のすべてメジャースケールには調号(はじめからついているフラットやシャープ)が必要
- 調号が必要な理由はメジャースケールの中に半音程が含まれているから
- フラットは長音階の4つ目の音である階名の「ファ」について行く
- 1つ目のフラットがつく場所はBbの音
- 以降、Bb, Eb, Ab, Db, Gb, Cbの順に5度ずつ下がりながら(4度ずつ上がりながら)フラットは増えて行く
中でも、フラットが階名の「ファ」につくということと、スケールが5度ずつ下がると(4度上がると)フラットが一つずつ増えるということ。この二つは特に大切です!
*注意!:他のサイトで「フラットはシにつきます」という記述をよく見かけます。
は?このサイトでは「フラットはファにつく」って書いてませんか?どっちが正しいの?と迷われた方がいらっしゃるかもしれません。「フラットがシにつく」というその意味は、「固定ド」のシにフラットがついたと言う意味です。
このサイトは移動ドを採用しています。固定ドのシ=音名のBです。ですからこのサイトでは最初のフラットがBについてBbになると説明しています。そして、フラット1つのへ長調を移動ドで読むと、Bbは「ファ」です。
結局は同じ事を言ってますので、こんがらがらないようにしてくださいね。
「固定ド」「移動ド」についてはこちらをどうぞ。
↓↓↓
では、続いてシャープのつき方についても頑張って見て行きましょう〜♪
スポンサーリンク