今日は「コードの転回」についてお話しします!「展開」ではなく「転回」、英語ではインヴァージョン(inversion)と言います。下にあった音をひっくり返して上に持って行く、そんなイメージです。新しく使えるツールを手に入れましょう!記事の最後には動画による解説もありますよ。
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和音の転回とは?
これまでメジャースケールのダイアトニック・コードを三和音で練習して来ました。その際、いつも、一番下の音がルート、真ん中が3rd、トップの音が5thという形で弾いていました。これを「基本形(ルートポジション)」と呼んでいます。
基本形(ルートポジション)
基本形はこんな感じでしたよね。覚えていますか?
Cメジャースケールのダイアトニック・コードの基本形を五線譜で見るとこうなります。
音符がお団子のようにキレイに積んであるみたいですね(笑)。
この基本形だけでコード弾きをしようとすると色々と不都合が出て来ます。例えば、「I」から「IV」のコードに飛ぼうとする時。鍵盤をかなり移動しなければなりません。Cメジャースケールのキーで言えばCからFへのコードチェンジですね。下の図のようになります。
結構手を移動しないといけませんね。
コードチェンジをする度にあちこちに指が飛んでいたんでは大変です!しかも、音の響きもガタガタしてあまり美しくありません。
そこで「転回形」を使うことによって、スムーズにコードチェンジすることができると言うわけです。
第一転回形(1st inversion)
転回とは、一番下にあったルートを1オクターブ上に持って行くことです。
すると、3rdが一番下で、その上が5th、一番上がルートとなりました。
これを「第一転回形(1st inversion)」と呼びます。
基本形でも第一転回形でも含まれている音は同じなので、同じコードです。Cメジャースケールの「I」のコードであるCを例にとってみますと、、、
上の図では左側がCのコードの基本形、右側が第一転回形です。どちらにも同じくC、E、Gの音が含まれていますね。ですから見た目の形は違ってもこれは両方ともCのコードです。
鍵盤図で表わすと、以下のようになります。
では、五線譜でCメジャースケールのダイアトニック・コードを第一転回形で表してみます。
各ディグリーネームの右肩にある小さな数字は第一転回形であることを表わしています。お団子のてっぺんがちょっと離れてる感じですね(笑)。
第二転回形(2nd inversion)
では、さらに第一転回形の一番下にある3rdを1オクターブ上げてみます。
すると、、、
5thが一番下で、真ん中がルート、一番上が3rdとなりました。これを「第二転回形(2nd inversion)」と呼びます。
Cのコードで基本形、第一転回形、第二転回形と並べてみます。並び方が違うだけですが、同じ音を使っているので、この三つはどれもCのコードなのです。
鍵盤図でも比べてみましょう。
では、五線譜でCメジャースケールのダイアトニック・コードを第二転回形で表してみます。
お団子の、、、根元の方が1個だけちょっと離れてる、、、ビジュアル的にはそんなイメージですね(笑)
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転回形を使うと流れがスムーズ
では、転回形を使うと実際にどんな風になるのか見てみましょう。この記事のはじめの方でCとFのコードチェンジの話をしました。基本形だけを使ったならかなり指が飛びますが、転回形を使えばほとんど手の位置を変えずにコードチェンジができます。
例えば、Cの基本形からFの第二転回形に移るなら、このように。
Cの第一転回形とFの基本形を組み合わせるならこう。
Cの第二転回形とFの第一転回形を合わせて。
どうでしょう?手の位置をほとんど変えずにコードチェンジを出来るのが分かりますね!
では、ここまでの所と転回形の練習方法を動画で解説しましたので、併せてご覧ください♪
転回形をマスターしよう!
色々なコードをつなげて弾くには、転回形をマスターすることが必須です。そして、今までやって来たすべてのコードで第一転回形と第二転回形を弾けるようになってください。
そして、いずれは臨機応変に基本形、第一転回形、第二転回形をその場の流れでチョイスできるようになって頂きたいと思います。
それにはまず、
- 一つのコードを選んで基本形、第一転回形、第二転回形をメトロノームに合わせて弾く。
- それぞれのメジャースケールのダイアトニック・コード「I, IIm, IIIm, IV, V, VIm, VII(b5)」を第一転回形で弾けるようにする。
- 同じように第二転回形でも弾けるようにする。
かなり地道な練習なのですが、大切な練習です。基礎体力づくりのようなものだと思ってやってみてください。
では、看板犬キャリーからも励ましの一言♪
散歩中に雨に降られました。。。が、頑張って歩きました!(笑)
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